日本東洋医学雑誌
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原著
冷えの苦痛はどの程度?
─閉経前女性の冷え症のスクリーニングに有用な基準─
古谷 陽一深谷 良
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2017 年 68 巻 1 号 p. 12-16

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抄録

目的:冷え症患者をスクリーリングする受信者動作特性曲線(ROC 曲線)を作成すること。
対象と方法:患者群は冷えを主訴に受診した女性患者99名。健常者群は女性看護職員372名。両群の「冷えの苦痛」の程度をNumerical Rating Scale(NRS;0無症状から10最も苦痛)で調査した。その値を基に患者群を判別するROC 曲線を閉経前と閉経後の群に分けて作成した。
結果:NRS 平均値(95%信頼区間)は患者群7.3(6.9 to 7.6),健常者群4.0(3.7 to 4.3)で患者群は有意に高値であった。NRS のカットオフポイントを5以上とした場合,患者判別の感度・特異度は閉経前98%・54%,閉経後96%・67%となった。
結論:冷えNRS が5以上の場合,医療機関を受診したい程の苦痛を感じている可能性がある。冷えをNRS で評価することは冷え症のスクリーニングに有用と思われる。

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© 2017 一般社団法人 日本東洋医学会
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