日本東洋医学雑誌
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医療資源としての「鍼灸」の社会的インパクトを生み出すための提案
宮崎 彰吾萩原 明人津田 昌樹古屋 英治
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2018 年 69 巻 1 号 p. 91-99

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抄録

2000年頃から急増したはり師,きゅう師を医療資源の新たな創出と考えた場合,その「社会的インパクト」を評価する意義は大きい。本稿では,平均余命の延伸を評価指標とし,都道府県における地域相関研究を行った。その結果,「はり師」という人的医療資源,並びに「はり及びきゅうを行う施術所」という物的医療資源の増加は,男性高齢者の平均余命の延伸との間に有意な正の弱い相関関係にあった。しかし,本稿では方法論的限界により因果関係まで言及することはできない。今後,より大きな「鍼灸」の社会的インパクトを生み出すために,研究者とはり師,きゅう師とが連携して多施設共同研究を実施できるよう,「鍼灸に関わる公益法人」に懸け橋となっていただくことを一研究者として切望する。

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© 2018 一般社団法人 日本東洋医学会
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