2018 年 69 巻 3 号 p. 300-304
ART(Assisted Reproductive Technology)が日々進歩しているも,残念ながら妊娠に至らない症例も散見される。不妊症患者は多くのストレスを抱えており,ストレスケアの重要性が報告されている。そこで漢方方剤とタイミング指導で妊娠に至った7症例について診療録から,職業,月経歴,妊娠歴,月経前症状,東洋医学的診察所見を抽出して検討を行った。臨床背景は年齢36歳[29-39],妊娠までの期間は6ヵ月[2-9]であり,転帰は正常経腟分娩3例,帝王切開術2例,流産1例,転院1例であった。東洋医学的病態は肝気鬱結のみ2例,腎虚併存3例,瘀血併存1例,瘀血と気血両虚併存が1例であった。使用方剤は,女神散加方2例,加味逍遥散加方2例,通導散1例,四逆散1例,芎帰調血飲1例であった。今回の検討から,不妊症の病態に肝気鬱結の関与は高く,処方選択において重要な因子であると考えた。