日本東洋医学雑誌
Online ISSN : 1882-756X
Print ISSN : 0287-4857
ISSN-L : 0287-4857
臨床報告
上部消化管症状に対して苓桂朮甘湯が奏効した4症例
及川 哲郎矢数 芳英渡邉 秀裕平山 陽示花輪 壽彦小田口 浩
著者情報
ジャーナル フリー

2020 年 71 巻 3 号 p. 246-250

詳細
抄録

症例1:28歳女性。3ヵ月前に心窩部痛と下痢が出現。その後も胃もたれや心窩部痛が続き,めまいや立ちくらみ,のぼせも自覚する。苓桂朮甘湯を服用,すぐ足が温まりめまいや立ちくらみが消失,2週間で消化管症状も軽快した。症例2:40歳女性。8ヵ月前に嘔気と心窩部痛が出現し改善しない。摂食時に咽から何かが上る感覚とめまいを生じる。苓桂朮甘湯を服用1週間で食欲,3週間で消化管症状が改善した。症例3:15歳女性。ジェットコースター乗車後に身体動揺感が生じ,嘔気,心窩部不快感,動悸,めまいや咽喉頭異常感が続く。苓桂朮甘湯加厚朴3g を1週間服用,身体動揺感や嘔気が改善した。症例4:28歳男性。1ヵ月前から疲れると胃がもたれ何も食べられず,立ちくらみも気になる。苓桂朮甘湯服用2週間で立ちくらみが消失,4週間で食欲も改善した。苓桂朮甘湯は気逆を伴う機能性ディスペプシアなどの上部消化管症状(水滞)に有用である。

著者関連情報
© 2020 一般社団法人 日本東洋医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top