日本東洋医学雑誌
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調査報告
医療安全委員会報告(2020)~漢方製剤に関する医療機関からの医療事故情報及びヒヤリ・ハット事例~
関根 麻理子牧野 利明田中 耕一郎嶋田 沙織四日 順子古屋 英治地野 充時田原 英一
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2021 年 72 巻 2 号 p. 182-203

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抄録

医療安全委員会では,安全に漢方方剤を使用するための啓発活動を行っており,前回,日本医療機能評価機構の薬局から登録されたヒヤリ・ハット事例を分析した。今回は,同機構の医療機関から登録された医療事故とヒヤリ・ハット事例を分析した。漢方製剤が関係する事例は626件であった。医療事故には,薬剤性肝障害事例があった。 ヒヤリ・ハット事例に関しては,処方時では漢方エキス製剤の1包の内容量の勘違いによる用法用量の誤り,調剤時では製剤番号・外観の類似や漢方処方名の類似による調剤の誤り,投薬時では漢方処方名まで確認せずに,漢字表記やメーカー名だけで判断することによる投薬の誤りがあった。ヒヤリ・ハット事例は当事者本人や同職種者に限らず,他職種者や患者本人から発見される事例も多かったことから,ヒヤリ・ハット事例は同職種者間での共有に留まらず,他職種者とも共有することが,医療安全の推進につながると考えられた。

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© 2021 一般社団法人 日本東洋医学会
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