2022 年 73 巻 2 号 p. 197-202
漢方医学と西洋医学を合わせて行うことが有効であった睡眠時無呼吸症例を報告する。症例は日中傾眠がある52歳男性で,睡眠検査にて閉塞性睡眠時無呼吸と診断され持続陽圧呼吸療法(CPAP)を開始した。CPAP は鼻から陽圧をかけ上気道閉塞の改善をはかりながら治療経過は機器に記録される。鼻閉があると CPAP 継続困難となるが本例でも CPAP を脱落しそうであった。そのことは記録された治療経過からも明白であった。そこで鼻閉に対して越婢加朮湯を服用すると鼻閉が自覚的に改善した。CPAP 使用状況と鼻CT 画像を参考にして小青竜湯や葛根湯加川芎辛夷へ変更すると CPAP は効果的に継続された。最終的には日中傾眠が消失した。
西洋医療継続のためには漢方治療が必要である一方,漢方治療効果判定に西洋医学的な情報が有用であった。本例では漢方医学と西洋医学が組み合わせられた東西融合医療の有用性が示された症例と考える。