日本東洋医学雑誌
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臨床報告
桂枝湯が有効であった手根管症候群の1例
福嶋 裕造藤田 良介平 憲吉郎東儀 洋三橋 牧
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2022 年 73 巻 3 号 p. 279-283

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抄録

手根管症候群は整形外科領域では一般的な疾患である。西洋医学的に薬物治療や外固定などの保存的治療や,手術的治療が行われる。漢方医学的治療についての症例もすでに報告されている。今回,手根管症候群に対して桂枝湯を投与して有効であった。症例は,80歳女性であり,右手の痺れ感があったため当院を受診し,手根管症候群と診断された。同日に桂枝湯を投与して7日後の受診日には症状が軽快して14日後には消失した。手根管症候群に対して桂枝湯が有効であったという報告は渉猟しえなかった。今回の手根管症候群の症状は営衛不和の症状であると考えられ,桂枝湯が有効であったと考えられた。

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© 2022 一般社団法人 日本東洋医学会
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