2022 年 73 巻 3 号 p. 293-296
症例は71歳女性。主訴は肉眼的血尿。近医にて特発性血小板減少性紫斑病(ITP)に対し,シクロフォスファミド50mg/day 投与中,肉眼的血尿が続くため,当科紹介受診。膀胱鏡にて膀胱内に粘膜不整あり,膀胱癌の疑いで経尿道的膀胱腫瘍切除(TURBT)施行。病理結果は polypoid cyst で出血性膀胱炎と診断した。2ヵ月後より再び血尿出現,猪苓湯合四物湯および柴苓湯を投与したがいずれも無効だった。漢方所見から気虚・血虚,および ITP を考慮し,加味帰脾湯を投与すると,約1ヵ月で肉眼的血尿は消失,尿沈査も RBC1-4/HPF と正常となった。1年後の膀胱鏡でも膀胱腫瘍を疑い,再度 TUR-BT を行ったが,病理結果は Inflammatory change であった。以後44ヵ月の観察期間に加味帰脾湯を継続し,肉眼的血尿は見られなかった。