日本東洋医学雑誌
Online ISSN : 1882-756X
Print ISSN : 0287-4857
ISSN-L : 0287-4857
臨床報告
子宮内膜症合併患者の月経随伴症状に当帰湯が有効であった1例
北原 明日香木村 容子
著者情報
ジャーナル フリー

2025 年 76 巻 2 号 p. 109-113

詳細
抄録

当帰湯は虚寒証の胸腹部痛に用いられる処方である。婦人科,特に月経関連症状に対しての当帰湯の使用報告は少ない。今回,月経前症候群や子宮内膜症症状として扱われる脇背部痛,腹満と下痢,不安感に対して当帰湯が奏功した一例を経験した。症例は34歳の女性で,両側卵巣に内膜症性嚢腫を有し,月経困難症,子宮内膜症治療のためホルモン剤投与を開始したところ薬剤副作用による抑鬱状態がみられ治療中止となった。複数の合併症により選択できる西洋医学的治療が限られる中,当帰湯の投与により諸症状が改善した。また,月経周期で約5kg の体重増減する浮腫に対して前医で7年間用いるも症状改善なかった五苓散を改めて当帰湯を併用することで速やかに浮腫の改善を認めた。

著者関連情報
© © 2023 一般社団法人 日本東洋医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top