日本東洋医学雑誌
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臨床報告
心腎不交証を呈した多剤耐性大腸菌を起炎菌とする反復性膀胱炎に,清心蓮子飲による漢方治療が著効した2例
吉田 也恵, 中本佳代子
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2026 年 77 巻 2 号 p. 92-100

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抄録

反復する膀胱炎に対して抗菌薬投与を繰り返した結果,多剤耐性大腸菌を検出した難治性膀胱炎患者に対して,心腎不交症と考え清心蓮子飲を投与して著効し,頻繁な抗菌薬投与を回避できた2症例を経験した。症例1は70歳女性。18年前から膀胱炎を発症し頻繁に繰り返すようになり,頻繁な抗菌薬治療のため起炎菌の大腸菌は多剤耐性化していた。弁証論治に基づいて心腎不交の証と診断し清心蓮子飲を開始後,11ヵ月間膀胱炎を起こさず経過し,再発時には多剤耐性大腸菌を検出しなかった。症例2は79歳女性。5年前から膀胱炎症状を発症して頻度が増加し,度重なる抗菌薬加療のため多剤耐性大腸菌を検出していた。心腎不交の証を認めたため清心蓮子飲を投与後,11ヵ月間膀胱炎の再発なく経過した。いずれの症例も,清心蓮子飲で心腎の交通を図り健脾補気することで膀胱炎症状を反復しなくなった。漢方薬が感染症治療に寄与することが示唆された。

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