日本東洋医学雑誌
Online ISSN : 1882-756X
Print ISSN : 0287-4857
ISSN-L : 0287-4857
変形性膝関節症に対する八味地黄丸を中心とした漢方治療の有用性
前田 繁男無敵 剛介
著者情報
ジャーナル フリー

1994 年 44 巻 4 号 p. 569-574

詳細
抄録

変形性膝関節症は中・高齢者に多い慢性に経過する疼痛性疾患であるため, 長期服用しても副作用の少ない漢方製剤の有用性が期待されている。我々は高齢者の変形性膝関節症に対して八味地黄丸 (エキス製剤) を中心に, X線学的な変形の程度を参考に関節局所と全体的な証を診て種々のエキス製剤を併方し漢方製剤の有効性を検討した。変形の程度が軽い場合は補剤のみで対応できる場合が多いが, 変形が強く局部に湿熱を有する場合には清熱利水の効のある寒性の薬を併用するとかなり高度に変形した例にも対応できるものと考えられ漢方薬の変形性膝関節症に対する積極的な応用が望まれる。

著者関連情報
© 社団法人 日本東洋医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top