日本東洋医学雑誌
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総合病院における漢方診療科の意義と役割
看護婦からみた患者の背景と意識
松岡 京子福永 澄子
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1995 年 45 巻 3 号 p. 633-641

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抄録

私たちの勤務する麻生飯塚病院は総合病院であり, そこへ1992年4月1日に漢方診療科が設立された。私たちは当院の看護婦としては初めて東洋医学に携わった。今回, 患者の背景とアンケートによる意識調査を行い, 漢方診療科の意義と役割についてまとめた。患者の背景によると年齢は幅広く,疾患は多彩である。遠方からの受診者が多く (県外8.5%), 院内職員 (13.6%) や家族受診 (29.3%) も目立つ。アンケー・トによる意識調査の結果, 煎じ薬は私たちが予想していたより患者には飲みやすく (41%), 効果の出現も早かった (1ヵ月以内59%)。漢方診療科は独自の診察方法があり, 問診は内科の3~4倍の時間をかける。西洋医学的な診察や治療も行う。以上のことから当科は東西両医学を含めた総合診療科的な役割を期待されていると思われた。私たち看護婦は医療スタッフや患者に対し, 漢方に対する知識や情報の提供に努めなければならないと感じた。

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