日本東洋医学雑誌
Online ISSN : 1882-756X
Print ISSN : 0287-4857
ISSN-L : 0287-4857
漢方外来受診患者における身体表現性障害の検討
水島 広子大野 裕神庭 重信山田 和男萬 知子山田 寛幸福澤 素子石井 弘一太田 博明村田 高明浅井 昌弘
著者情報
ジャーナル フリー

1997 年 48 巻 1 号 p. 23-29

詳細
抄録

身体表現性障害に対する漢方治療の有効性を調べるための予備的な研究として, 漢方外来初診患者100名 (男性17名, 女性83名, 平均年齢39±16歳) を対象に, somatoform disorders schedule より作成した身体表現性障害チェックリスト, 主観的幸福感を調べる subjective well-being inventory (SUBI) を施行した。身体表現性障害の患者は全体の65%を占めた。身体表現性障害の患者は身体疾患患者に比べてSUBIの positive スコアが有意に低く (p=0.042), negative スコアが有意に高かった (p=0.001)。身体表現性障害群では, 身体表現性障害の症状数はSUBIの positive スコアと負の相関関係 (r=-0.267, p=0.032) を, negative スコアと正の相関関係 (r=0.337, p=0.006) を示した。

著者関連情報
© 社団法人 日本東洋医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top