日本東洋医学雑誌
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非定型的顔面痛に当帰四逆加呉茱萸生姜湯が奏効した一例
林 明宗
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1999 年 50 巻 2 号 p. 257-260

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抄録

当帰四逆加呉茱萸生姜湯が奏効した非定型的顔面痛の1例を報告した。患者は高度の冷え症を有する30歳女性で, 8年間にわたって左頬部の激しい非定型的顔面痛に悩まされてきた。画像診断上は左三叉神経の走行に沿った器質性疾患や微小血管による圧迫所見は認められなかった。通常の内科的治療は奏効しなかったが, 当帰四逆加呉茱萸生姜湯を服用させたところ, 当初では鎮痛剤の効果が回復し, 最終的には当帰四逆加呉茱萸生姜湯単独で本症例の非定型的顔面痛は完全に消失した。

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