日本東洋医学雑誌
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慢性皮膚疾患の治療には漢方を
二宮 文乃
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2002 年 53 巻 5 号 p. 487-501

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抄録

慢性皮膚炎の代表例としてアトピー性皮膚炎につき, 皮膚科的治療と, 漢方治療を対比した。原因, 悪化因子に, 内因性アレルギーによる場合と, 非アレルギーとしてバリヤー機能異常による外因性刺激とがある。
I型アレルギーはTh2細胞の活性化でIL4, IL5, IL13などのサイトカインを産生, IgE抗体好酸球により, 急性皮膚炎として発生する。清熱利水剤を使用。
IV型アレルギーは, Th1細胞の活性化でIL2, IFNγの産生で慢性皮膚炎を呈する。補剤を使用。
非アレルギーでは, バリヤー機能異常によるセラミドと水分不足で乾燥し, 易刺激性となり, 発症しやすい。
皮膚炎は表皮下, 真皮内に水液と炎症細胞がみられるので, 利水剤によりこれを除去し, 更に補陰剤を使用する場合もある。

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