日本東洋医学雑誌
Online ISSN : 1882-756X
Print ISSN : 0287-4857
ISSN-L : 0287-4857
マラソン後の筋痛と筋硬度に対する円皮鍼の効果
二重盲検ランダム化比較試験による検討
宮本 俊和濱田 淳和田 恒彦寺田 和史市川 あゆみ鍋倉 賢治
著者情報
ジャーナル フリー

2003 年 54 巻 5 号 p. 939-944

詳細
抄録

円皮鍼と装丁を同様にした鍼のない偽円皮鍼 (プラシーボ鍼) を使用し, マラソンレースに参加した選手の筋痛と血清クレアチンキナーゼ値 (以下CK値), 筋硬度に対する円皮鍼の効果を二重盲検ランダム化比較試験により検討した。対象はマラソンに初めて参加する15名の大学生とし, 施術, 検査, データの解析に関わらない者が無作為に割付けした。
円皮鍼またはプラシーボ鍼は下肢の経穴8箇所に, マラソンスタート前に貼付し, 5日後に抜去した。測定項目は, 筋痛の Visual Analogue Scale (以下VAS), CK値, LDHアイソザイム, 立位体前屈, 筋硬度とし, マラソンスタート前, ゴール後, 5日後に測定した。その結果, 1. 円皮鍼はマラソン後の筋痛を軽減させた。2. CK値とLDHアイソザイムのLDH4, LDH5は, マラソンゴール後に上昇したが, 円皮鍼の効果はなかった。3. 立位体前屈は差がみられなかった。4. 筋硬度は, 外側広筋と内側広筋で増強したが, 円皮鍼の効果はみられなかった。

著者関連情報
© 社団法人 日本東洋医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top