日本東洋医学雑誌
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54 巻, 5 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • 原 敬二郎
    2003 年 54 巻 5 号 p. 899-905
    発行日: 2003/09/20
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    文部科学省の通達により医科大学教育に東洋医学 (和漢薬) が採用されることになり各大学も殆んど実施することになったが私は福岡県の久留米大学で4年間漢方医学教育を実施しているので今回漢方医学教育とそれに対する学生の考えをアンケートにより示す。結論的に学生は東洋医学に理解と関心を深めて今後が期待できると思われる。同時に薬学部の学生の反応と日本の医大における東洋医学教育の実態と世界における現状と教育への抱負を述べる。
  • 2003 年 54 巻 5 号 p. 907-937
    発行日: 2003/09/20
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
  • 二重盲検ランダム化比較試験による検討
    宮本 俊和, 濱田 淳, 和田 恒彦, 寺田 和史, 市川 あゆみ, 鍋倉 賢治
    2003 年 54 巻 5 号 p. 939-944
    発行日: 2003/09/20
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    円皮鍼と装丁を同様にした鍼のない偽円皮鍼 (プラシーボ鍼) を使用し, マラソンレースに参加した選手の筋痛と血清クレアチンキナーゼ値 (以下CK値), 筋硬度に対する円皮鍼の効果を二重盲検ランダム化比較試験により検討した。対象はマラソンに初めて参加する15名の大学生とし, 施術, 検査, データの解析に関わらない者が無作為に割付けした。
    円皮鍼またはプラシーボ鍼は下肢の経穴8箇所に, マラソンスタート前に貼付し, 5日後に抜去した。測定項目は, 筋痛の Visual Analogue Scale (以下VAS), CK値, LDHアイソザイム, 立位体前屈, 筋硬度とし, マラソンスタート前, ゴール後, 5日後に測定した。その結果, 1. 円皮鍼はマラソン後の筋痛を軽減させた。2. CK値とLDHアイソザイムのLDH4, LDH5は, マラソンゴール後に上昇したが, 円皮鍼の効果はなかった。3. 立位体前屈は差がみられなかった。4. 筋硬度は, 外側広筋と内側広筋で増強したが, 円皮鍼の効果はみられなかった。
  • 木村 豪雄, 古田 一史, 三潴 忠道
    2003 年 54 巻 5 号 p. 945-950
    発行日: 2003/09/20
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    微小血管性狭心症に起因すると思われた胸部不快感ならびに労作時の胸痛に対して大陥胸湯が奏効した1例を経験した。症例は72歳の女性。2000年6月, 労作時の胸部不快感に続いて, 安静時にも胸背痛を自覚するようになり当科入院となった。運動負荷心電図にて虚血性変化を認めた。漢方医学的には実証であり, 強い心下痞鞭と前胸部の圧痛より結胸と判断し, 大陥胸湯を投与した。大黄, 芒硝, 甘遂を同時に煎じた湯液では, 明らかな潟下効果はみられなかった。原典にしたがい甘遂末として大陥胸湯を投与したところ, 著しい下痢を生じるとともに胸部不快感は消失した。さらに労作時の胸痛も生じなくなった。冠動脈撮影では有意な狭窄病変および攣縮所見はなく, 微小血管性狭心症と診断した。
  • 木村 豪雄, 岡 洋志, 平崎 能郎, 鉄村 進, 古田 一史, 三潴 忠道
    2003 年 54 巻 5 号 p. 951-956
    発行日: 2003/09/20
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    肝癌に伴う腹水と浮腫に対して防已椒目〓〓大黄丸料を使用し, 興味ある効果を経験した。症例は80歳女性。2002年4月, 急速に進行する対麻痺, 膀胱直腸障害を呈した。転移性胸椎腫瘍の診断で手術されたが, 術後より下肢浮腫と腹水を生じた。腹部CTにて肝硬変および肝癌が指摘された。腹満, 口腔内の乾燥, 便秘を目標として防已椒目〓〓大黄丸料を投与した。下肢の浮腫は速やかに軽減し, CTで腹水の減少が確認できた。しかし原疾患の進行に伴い, 1ヵ月余りで効果は徐々に減弱した。悪性腫瘍に伴う腹水の治療は困難であるが, 本方は腹水に対する有効な方剤として再注目すべきである。
  • 田原 英一, 新谷 卓弘, 森山 健三, 中尾 紀久世, 久保 道徳, 斉藤 大直, 荒川 龍夫, 寺澤 捷年
    2003 年 54 巻 5 号 p. 957-961
    発行日: 2003/09/20
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    療養型病床群における高齢者の性的逸脱行動に桂枝加竜骨牡蛎湯が有効であった2例を報告する。症例1は71歳男性で, 前立腺肥大症の術後リハビリテーション目的で入院となった。入院後まもなくから自慰行動が出現し, 他の女性入院患者や介護職員が不快感を訴えるようになった。桂枝加竜骨牡蛎湯を投与したところ自慰行動は消失した。症例2は90歳男性で, 脳梗塞のリハビリテーションのために入院となった。入院後半年ほどして卑猥な言葉を言ったり, 他の女性患者の体を触るようになった。桂枝加竜骨牡蛎湯を投与したところ, 性的逸脱行動は軽減した。桂枝加竜骨牡蛎湯は痴呆による高齢者の性的逸脱行動に有効な治療法となると示唆される。
  • 高野 文英, 吉崎 文彦, 伏谷 眞二, 早坂 英記, 大場 慶司, Javzan Batkhuu, Chinbat Sanchir, Ba ...
    2003 年 54 巻 5 号 p. 963-972
    発行日: 2003/09/20
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    我々は1999年と2000年の夏にモンゴルを訪れ, この国の伝統医学と天然薬物について調査した。モンゴルの伝統的な治療方法は, オイルマッサージ, 鍼灸, 薬草処方, 食事療法, アロマセラピー, 瀉血療法, 読経のおおよそ7種類に分類され, なかでも薬草処方は鍼灸, マッサージと並んでその根幹をなしていることがわかった。これらの治療法はインドの伝統医学の流れを汲むチベット医学を基礎としている。モンゴルでは急性あるいは慢性疾患に対して多くの薬草や薬草処方をもちいる習慣にあり, Ephedra 属や Glycyrrhiza 属といった重要植物の資源も豊富である。このように, モンゴルでは社会主義体制の放棄後, 急速に伝統医学が復活してきており, 普遍的で重要な治療法になりつつある。
  • 2003 年 54 巻 5 号 p. 973-974
    発行日: 2003/09/20
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
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