抄録
肝癌に伴う腹水と浮腫に対して防已椒目〓〓大黄丸料を使用し, 興味ある効果を経験した。症例は80歳女性。2002年4月, 急速に進行する対麻痺, 膀胱直腸障害を呈した。転移性胸椎腫瘍の診断で手術されたが, 術後より下肢浮腫と腹水を生じた。腹部CTにて肝硬変および肝癌が指摘された。腹満, 口腔内の乾燥, 便秘を目標として防已椒目〓〓大黄丸料を投与した。下肢の浮腫は速やかに軽減し, CTで腹水の減少が確認できた。しかし原疾患の進行に伴い, 1ヵ月余りで効果は徐々に減弱した。悪性腫瘍に伴う腹水の治療は困難であるが, 本方は腹水に対する有効な方剤として再注目すべきである。