日本東洋医学雑誌
Online ISSN : 1882-756X
Print ISSN : 0287-4857
ISSN-L : 0287-4857
亜急性甲状腺炎に対する漢方治療の一使用経験
平崎 能郎岡 洋志鉄村 進小尾 龍右木村 豪雄古田 一史三潴 忠道
著者情報
ジャーナル フリー

2004 年 55 巻 3 号 p. 319-324

詳細
抄録
亜急性甲状腺炎に対し漢方治療で良好な経過を示した一例を経験した。症例は77歳, 女性。1ヵ月前よりのどの違和感, 4日前より全身倦怠感と発熱があり, 全身倦怠感と食欲不振を主訴に受診した。圧痛を伴う甲状腺の腫大と高度の炎症所見 (CRP13.7mg/dl) を認めた。甲状腺機能の亢進 (TSH0.02μlU/ml FT320.18ng/dl FT45.21ng/dl) も伴っていた。亜急性甲状腺炎と診断し, 漢方単独治療を行った。太陽病と陽明病の併病と考え, 桂枝二越婢一湯と調胃承気湯を併用した。4日後に解熱, 10日後に炎症反応 (CRP) は鎮静化した。13日後には甲状腺の圧痛は消失した。17日後には甲状腺機能は正常となった。亜急性甲状腺炎は自然治癒がみられる疾患であるが, ときに甲状腺中毒症を合併することもあり, しばしばステロイドが用いられる。本症例ではステロイドを使用せず, 良好な経過を示した。亜急性甲状腺炎に対し漢方治療は試みられてよい治療法であると考えられた。
著者関連情報
© 社団法人 日本東洋医学会
次の記事
feedback
Top