日本東洋医学雑誌
Online ISSN : 1882-756X
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患者自身による自覚症状評価システムの臨床応用
診療情報のデータベース化
木村 容子佐藤 弘新井 信飯山 和郎田中 朱美
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2004 年 55 巻 3 号 p. 337-342

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抄録

漢方治療の効果判定は, 愁訴の改善など患者の主観的評価に依存する場合が多い。当研究所では, 漢方治療を多角的に評価するための手段の1つとして, 患者自身による自覚症状の評価システム (東洋医学研究支援システム; Tokyo women's medical university Oriental Medicine Research Active Support System: TOMRASS) を導入した。自覚症状の経時的変化のみならず, 疾患, 主訴・問題点, 処方, 検査データなどの診療情報をデータベース化した。今回, 本システムを用いて多数の症状を取り上げることにより, 多愁訴の効果判定が容易に行い得た例として, 当帰四逆加呉茱萸生姜湯加味方の1例, また, 当初予期しない症状の軽快が明かとなった症例として, 小青竜湯によりアレルギー性鼻炎のみならず, 月経困難症が軽快した1例を, 具体的運用例として紹介した。

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