日本東洋医学雑誌
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新薬としての植物薬の臨床試験
米国規正法の観点から
Shaw T. CHEN
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2005 年 56 巻 2 号 p. 231-241

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抄録

人間の病気の治療薬として昔から多くの生薬がさまざまな地域で処方されているが, 現代医学の基準に適合した厳しい臨床試験を受けたものはほとんどない。新規の生薬製剤の臨床開発を促進するため. 2000年8月, アメリカFDAはガイダンス案を発表した (Guidance of Industry: Botanical Drug Products)。
www.fda.gov/cder/guidance/1221dft.pdf
すでに市場取引されている生薬製剤では, その安全性は過去の人間の経験から評価しており, また臨床研究はその特質に関する大規模な評価と非臨床試験を実施せずに開始されている。しかし, いまだほとんどすべての生薬製剤の有効性は, 生薬製剤以外の新薬に求められるのと同様の臨床試験によっては確立されていない。今回の規制は, 生薬製剤の臨床効果を現代医学の非生薬製剤と同じレベルで評価することを目的としている。本論では, すべての新薬開発における臨床試験の基本原則について延べ, 生薬製剤研究に関する問題を検討する。

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