感染症学雑誌
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Chloramphenicol耐性およびAmpicillin・chloramphenicol両剤耐性インフルエンザ菌
黒崎 知道中村 明上原 すゞ子寺島 周沖本 由理菅谷 直子
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1982 年 56 巻 4 号 p. 286-293

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抄録

われわれは, インフルエンザ菌 (Haemophilus influnezae, 以下H. influenzae) 感染症の研究の一環として, 1978年から1980年に, 当教室および関連病院小児科で分離されたH. influenzaeの最小発育阻止濃度 (以下MIC) 測定を行ってきたが, 1979年に5株, 1980年に5株のchloramphenicol (CP) 耐性H. influenzaeを分離し, さらに, 1980年には, 4株のampicillin (A8PC)・CP両剤耐性H. infuenzaeを分離した.
ABPC感性CP耐性株のCPに対するMICは, 106/ml接種にて, 全株とも6.25μg/ml以上で, Mantenらの方法に準じて施行したchloramphenicol acetyltransferase (以下CATase) 活性は, 全株とも陽性であった.
ABPC・CP両剤耐性株4株のABPCに対するMICは, 3.13μg/ml~6.25μg/ml, CPに対するMICは, 12.5μg/ml~25μg/mlで, β-lactamase, CATaseともに陽性であった。

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