1984 年 58 巻 1 号 p. 60-65
トラコーマ及び非淋菌性尿道炎などの病原体として知られるChlamydia trachomatis (以下, C. trackomtisと略す) は, 乳児期に特徴的な無熱性の肺炎を発症させることが欧米を中心として明らかにされてきた.
著者らは, 乳児期肺炎患児及び新生児結膜炎患児よりC. trackomtisの分離を試み, その結果本邦においてもC. trackoma跳による肺炎及び封入体結膜炎が存在することを報告してきた. 今回, 著者らはC. trackomatisが分離され, 蛍光抗体間接法による特異的IgM抗体価の上昇が確認された患児で, 経過中にRespiratory syncytial virus (以下, RSVと略す) 感染症を合併した症例について報告する.