感染症学雑誌
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歯周疾患患者由来の偏性嫌気性菌の酸素耐性に関する研究
北垣 官四郎松前 昭廣合田 朗
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1984 年 58 巻 11 号 p. 1170-1176

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抄録

歯周疾患病原菌の中で特に偏性嫌気性菌に関して, その酸素耐性, すなわち口腔内の好気的条件化での生存性および発育性について検討した.
酸素耐性能は生残菌数が1/10になるのに要する空気暴露時間 (D-time, Decimal Reductiontime) で表わした. その結果, 空気暴露開始時の菌数が102~105 cells/Plateの場合, 被検菌株のD値は, Bacteroides gingivalis, B・intermedius, B・loescheii, B・melaninogenicus, およびFusobacterium nucleatumが2~10時間の値を示し, 対照菌株として用いたB・fragilisの18~48時間と比較すると弱い酸素耐性であることが示唆され, 興味ある知見が得られた.

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© 日本感染症学会
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