1986 年 60 巻 2 号 p. 141-144
昭和59年7月および10月に高知県室戸市に3例の熱性発疹性疾患が発生した: 被凝集性を確認したWeil-Felix反応抗原を用いて凝集反応を行うと, Proteus OX2に対する凝集価は有意の値を示し, Proteus OX19に対する凝集価は4倍以上の上昇を示した.補体結合 (CF) 反応では, R.akariおよびR.rickettsiiに対する抗体が検出された.さらに, 昭和58年10月に類似疾患が3例発生していたが, 1年以上を経過して採取した血清中にも2例にR.akariと反応するCF抗体が検出された.これらの血清学的成績から本疾患は紅斑熱群リケッチア症であると判定した.