感染症学雑誌
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アンピシリン, クロラムフェニコール両剤耐性インフルエンザ菌による髄膜炎の1例
原田 佳明伊藤 明子進藤 久人久保 典夫新井 勝藤井 肇兼丸 幸典槇坪 慎一
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1987 年 61 巻 1 号 p. 101-106

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抄録

Anpicillin・Chloramphenicol両剤耐性Haemophilus influenzae type Ibの本邦第1例と思われる1例を経験した.患者は1歳8ヵ月の女児で2日間の発熱, 嘔吐の後入院した.Ampicillin Chloramphenico1静注にて治療開始したが, β-Lactamase産生試験が陽性, ディスク法による薬剤感受性試験がAmpicillin-, Chloramphenicol 2+, Latamoxef 3+であったのでLatamoxef静注に治療変更した.第10病日に施行した頭部CT検査にて, 左前頭葉に硬膜下膿瘍を認め, 穿頭排膿術を行った.後に実施した平板希釈法による最小発育阻止濃度はAmpicillin 62.5, Chloramphenicol 12.5, Latamoxef 0.39 (μg/ml) であった.Chloramphenicol acetyltransferase産生試験陽性であった.

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