感染症学雑誌
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MCLS患児歯垢から分離されたStreptococcus sanguis (特異型) 菌株とMCLS発症との関連性について
武内 可尚渡辺 淳野川 孝之木村 和弘由井 郁子篠原 治安倍 隆篠塚 徹田口 暢彦小佐野 満鶴水 隆中村 直吉橋本 喬堀田 昌宏
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1987 年 61 巻 10 号 p. 1141-1148

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抄録

MCLSの患児および母親の母垢から (Str. sanguis) 特異型 (仮称MCLS-1およびMCLS-2) の菌株が, 61.7%の高率に分離された. これらの菌株は, 744名の非MCLS対照群からは, わずかに1.9%にしか検出されなかった. これら2型の菌株から抽出精製した菌体表層抗原 (線毛様構造物) で感作血球を調整し, 患児血清中のIHA価を調べたところ, 急性期に上昇し, 2~3週でピークに達した後下降して行くことが判明した.
各分離株の培養菌体または培養濾液および精製分画は, 各種実験動物に対して種々の感染像を示したが, 通常の分離株や標準株ではこのような感染像はみられなかった. これらの成績は, このようなStr. smguis特異型の菌株由来の代謝物質が, MCLSの発症に関与している可能性を示唆しているように思われる.

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