感染症学雑誌
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臨床材料に由来するEnterobacter asburiaeについて
三木 寛二吉崎 悦郎田村 和満坂崎 利一
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1988 年 62 巻 8 号 p. 708-711

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抄録
最近報告された腸内細菌科の新菌種Enterobacter asburiaeをま, Enterobacter cloacaeに近似した生化学的性状をもつために, E. cloacaeと混同されていると思われたので, いままでの臨床分離E. cloacae150菌株を再同定したところ, 7株がE. asburiaeであった. これら7株はVoges-ProskauerテストでEasburiaeの記載陽性率がやや異なったが, これは用いた培地および方法の相違によるものと考察された. 7菌株の由来から, 本菌は日和見的感染菌と思われ, 現在一般に用いられている同定システムでは同定不能かまたはE. cloacaeと誤同定される. なお, 7菌株の薬剤感受性パターンもまたE. cloacaeに類似した.
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© 日本感染症学会
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