1992 年 66 巻 1 号 p. 1-5
堺市における臨海地域のある種の企業では, 海水を機械の冷却水として取り入れている.そして, 排出する際には, 大阪府の公害防止条例 (昭和49年改正) によりBiochemical Oxygen Demand (生物化学的酸素要求量) 規制の適用を受けている.しかし, 海水を含む試料のBOD測定法は, いまだ確立されていない.
そこで, 我々は, その測定法を確立するため, 使用する植種水中の好気性菌の活性度の強さと希釈水の検討を行った.
その結果, 植種水には, 一般細菌数が103個/ml以上, Adenosin triphosphateが0.50μg/1以上の値をそれぞれ示す活性のある培養海水を, また希釈水には人工海水をそれぞれ使用すれば良いことがわかった.