感染症学雑誌
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66 巻, 1 号
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  • 松本 憲一, 間宮 孝子, 大橋 人士, 西谷 謙二, 中島 邦夫, 鶴保 謙四郎
    1992 年 66 巻 1 号 p. 1-5
    発行日: 1992/01/20
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
    堺市における臨海地域のある種の企業では, 海水を機械の冷却水として取り入れている.そして, 排出する際には, 大阪府の公害防止条例 (昭和49年改正) によりBiochemical Oxygen Demand (生物化学的酸素要求量) 規制の適用を受けている.しかし, 海水を含む試料のBOD測定法は, いまだ確立されていない.
    そこで, 我々は, その測定法を確立するため, 使用する植種水中の好気性菌の活性度の強さと希釈水の検討を行った.
    その結果, 植種水には, 一般細菌数が103個/ml以上, Adenosin triphosphateが0.50μg/1以上の値をそれぞれ示す活性のある培養海水を, また希釈水には人工海水をそれぞれ使用すれば良いことがわかった.
  • 西村 昌宏, 熊本 悦明, 広瀬 崇興, 渋谷 秋彦, 塚本 泰司, 大屋 哲
    1992 年 66 巻 1 号 p. 6-13
    発行日: 1992/01/20
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
    コンピューター制御による尿中濃度自動シミュレーター装置を付属したin vitro複雑性膀胱炎モデルを用い, isepamicin (以下ISP) およびpiperacillin (以下PIPC) を実際の尿中濃度に推移させ, モデル膀胱内の細菌 (Rleudomonas aeruginosa: 以下P.aeruginosa, 初期細菌濃度: 107cfu/ml) に作用させた.この際にISPとPIPCをそれぞれ単独で作用させた場合の菌数曲線に与える影響と, さらにISPとPIPCを作用順を変えて作用させ, 併用療法の意義について検討し, 以下の結果を得た.
    1.PIPC単独作用では細菌濃度は作用開始後9時間目で最小 (104cfu/mi) となりその後再増殖し, 16時間目で初期濃度となった.
    2.ISP単独作用では細菌濃度は作用開始後13時間目で最小 (102cfu/ml) となりその後再増殖し, 25時間目で初期濃度となった.
    3.併用療法においてISP8時間先行作用では細菌濃度は26時間目で最小 (101cfu/ml以下) となりその後再増殖し42時間目で初期濃度となった.
    4.ISP, PIPC同時作用では細菌濃度は24時間目で最小 (101cfu/ml) となり, その後再増殖し40時間目で初期細菌濃度となった.
    5.PIPC8時間先行作用では細菌濃度は28時間目で最小 (101cfu/ml) となり, その後再増殖し44時間目で初期濃度となった.
    以上よりISP, PIPCそれぞれの単独作用よりも, 両者の併用作用の方が細菌濃度をより減少させ, かつ細菌の再増殖をより長く抑える事ができる結果であった.また併用の際の作用順は細菌濃度減少速度の点ではISPとPIPCの同時投与が若干優れ, 細菌濃度減少の程度の点ではISPを先行させた場合が若干優れ, 再増殖抑制時間の点では逆に, PIPCを先行させた場合がやや優れていた.
  • 佐久川 廣
    1992 年 66 巻 1 号 p. 14-21
    発行日: 1992/01/20
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
    沖縄県の献血者におけるHBs抗原陽性率は3.5%で, 全国平均 (1.5%) の2倍以上を示し, 全国-高い.一方, 肝硬変, 肝癌の死亡率は全国平均の約半分で, 全国で最も低い.
    今回著者は沖縄県のHBV感染と慢性肝疾患との関連におけるこの疫学的特異性を解明するために疫学調査を含めた臨床的検討を行った.
    先ず, 血清疫学的調査から次のような成績が得られた.1) 沖縄県の肝硬変, 肝細胞癌患者におけるHBs抗原の陽性率はそれぞれ15.2%, 24.4%で, 全国平均の陽性率 (肝硬変;23.4%, 肝細胞癌;31.4%) より低い.2) 無症候性キャリアにおける年齢別のHBe抗原陽性率は20歳以下の年齢で50%で, 年齢と共にその陽性率は低下し, 20代で15.7%で, 30歳以上では2~3%あるいはそれ以下の陽性率を示した.また, 肝外来を受診した無症候性キャリアの内, 6.3%が慢性肝炎, 1例 (0.2%) が肝硬変であった.
    一方, HBe抗原陽性B型慢性肝炎24例の検討では, 2年間の観察期間中に56.3%の症例にHBe抗原の自然消失を認め, これらの症例の年間の消失率は25.6%であった.
    このように, 沖縄県のHBs抗原キャリアにおいて, 若い時期にあるいは慢性肝炎の初期の段階でHBe抗原を陰性化させていることがその予後に良好な結果をもたらし, B型慢性肝疾患の有病率を低下させていると推定された.
  • 第1編散発下痢症患者におけるS. hadarの分離状況と臨床的細菌学的検討
    望月 康弘, 増田 裕行, 金指 秀一, 細木 義郎, 伊藤 敬子, 大石 和伸, 仁科 徳啓, 半田 淑明, 塩澤 寛治, 三輪 好伸, ...
    1992 年 66 巻 1 号 p. 22-29
    発行日: 1992/01/20
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
    Salmonella hadarは1981年国内で初めて分離されて以来急激に増加し, 静岡県でも同様な増加傾向がみられているが, 本菌の感染経路は不明な点が多く臨床的特徴について検討した報告は少ない.今回我々はS. hadar腸炎の15例について臨床症状を検討した結果, 10歳以下の小児例では39℃ 以上の発熱が約70%に認められ, 他のサルモネラ腸炎に比し高率であった.9ヵ月の同胞例で家族内感染が疑われたが, 同居者の便培養で本菌が分離された例はなかった.家畜飼料, 食肉鶏の羽毛や糞便, 食鳥処理場, 市販食肉等の1,197検体について調査した結果259株のサルモネラが分離された.このうちS.hadarは96株 (37.1%) を占めていた.患者由来51株, 環境由来67株のS.hadarについて9薬剤に対する感受性試験を行った結果, Ampicillin, Kanamycin, Cephaloridineでは耐性株と感受性株が明瞭に分かれる2峰性を示しStreptomycin, Tetracyclineに対しては耐性株が多かった.耐性株は, 散発下痢症患者由来株では92%, 環境由来株では52%であった.30株についてファージ型別を行ったところ, 2型が15件 (50%) で半数を占め, 次いで11型と22型が各5件 (16.7%) であった.2型は散発下痢症患者便10検体中8件 (80%) と多数を占め, トリ肉, ブタ肉からも共通に検出された.プラスミドパターンは多岐にわたり, 患者及び環境由来株間には有意な共通性は認められなかったが, 採集日時や採集場所ごとの比較では同一派生株による汚染と考えられる類似性が認められ, これらの範囲内での疫学的検討にプラスミドプロファイルを利用することは有用であると考えられた.
  • 第2編静岡県におけるS. hadarによる食品環境汚染の状況と対策
    望月 康弘, 増田 裕行, 金指 秀一, 細木 義郎, 伊藤 敬子, 大石 和伸, 仁科 徳啓, 半田 淑明, 塩澤 寛治, 三輪 好伸, ...
    1992 年 66 巻 1 号 p. 30-36
    発行日: 1992/01/20
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
    静岡県における市販食肉, 食肉用鶏, 食鳥処理場, 家畜飼料等のサルモネラによる汚染状況を調査したところ, 市販鶏豚肉, 食肉用鶏糞便, 生鶏の胸部羽毛, 食鳥処理場における処理後の食肉用鶏屠体表面等からSalmomlhhadarが分離され, とくに処理後の食肉用鶏屠体表面のほぼ半数から, S.hadarが分離された.しかし食肉用の家畜や鶏の飼料からは, S.hadarは発見されなかった.1,197の検体から分離された259株のサルモネラ菌株のうちS.hadarは96株 (37.1%) と第1位を占めており市販食肉から検出されたサルモネラの血清型と, 食中毒患者あるいは散発下痢症患者由来の菌株の血清型が類似している事は, これらの関連性を示していると考えられた.県内の養鶏場18ヵ所のうちS.hadarが発見された3養鶏場において成鶏出荷後に追跡調査を行った結果, 消毒中の1ヵ所では生残していた.これらの調査結果から推測すると食肉用鶏が飼料を介して, S.hadarに感染する可能性は少なく, S.hadarで汚染された養鶏場における感染や, 輸送籠を介する体表の汚染に加えて, 食鳥処理場における生鶏の処理過程において汚染が拡大することによって鶏肉が高頻度に汚染されていることが, ヒトへのS.hadar感染の最も重要な危険因子であると考えられる.食肉のサルモネラ汚染防止対策が重要な課題であり, 具体的対策について考察した.
  • 畑中 康代, 楠 伸治, 山本 啓之, 橋本 安弘, 江崎 孝行
    1992 年 66 巻 1 号 p. 37-44
    発行日: 1992/01/20
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
    被検菌の菌体をガラスビーズで破壊してDNAを抽出し, ビオチン標識後, マイクロプレートのウェル内に固定した基準株DNAとの間で定量的DNAハイブリダイゼーションを行い, Legionella属菌を同定する方法 (以下, 本法と略す) を確立した.
    Legionella属25菌種の基準株25株は本法でそれぞれの菌種に正しく同定できた.
    臨床および環境分離株103株を用いた評価では, 既に菌種特異血清で菌種が同定されていた68菌株については本法でも全て同定結果が得られた.このうち60株は血清型別の結果と一致していたが, 抗血清スライ畷集法でL.bo2emniiと同定されていた分離株10株中, 肺由来の2株は本法でもL.bozemaniiとなったが, 環境由来の8株が本法ではL.anisaと同定された.性状および血清型別で未同定の35株については, 29株の菌種が決定できた.残り6株はプレート内の25菌種とはハイブリダイズせず, そのうち3株は, DNA相同性の検討の結果, 同一菌種であると考えられた.
  • 久保 信彦, 荒島 康友, 川端 真人, 河野 均也, 中尾 稔, 宮本 健司
    1992 年 66 巻 1 号 p. 45-50
    発行日: 1992/01/20
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
    北海道の狩猟者587名の血清中の抗Borrelia burgdorferi (B.burgdorferi) 抗体を酵素抗体法で測定し, 狩猟者の抗体保有状況や, 抗体価におよぼす年齢, 生活歴など各種因子の影響を検討した.対照血清における抗B.burgdorferi抗体陽性率は7.1%で, 狩猟者では16.0%となった.梅毒血清反応が陽性の血清を除いた場合の抗B.burgdorferi抗体陽性率は, 対照では5.5%に対して, 狩猟者では15.4%となり, 狩猟者で有意に高かった (p<0.05).対照および狩猟者ともに抗B.burgdorferi抗体価は年齢が高い程, 陽性者が多く認められる傾向があったが, 相関はなく, 狩猟者の抗B.burgdorferi抗体価は狩猟歴とも相関しなかった.また狩猟者の職業では酪農業に従事するものに抗B.burgdorferi抗体価が高い傾向があった.山菜採りに行く者は行かないものと比較して有意に抗B.burgdorferi抗体陽性率が高かった (p<0.05), これらのことから狩猟者の抗体陽性率が高い理由として, 狩猟以外の野外活動の影響が大きいと考えられた.
  • 堀内 三吉, 稲垣 好雄, 山本 直樹, 小川 正之, 中谷 林太郎
    1992 年 66 巻 1 号 p. 51-58
    発行日: 1992/01/20
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
    開発中のキノロン系抗菌剤DR-3355の臨床試験における感染性腸炎患者から分離されたShigelkz spp.94株, Salmonella spp.36株, Viibrio spp.27株, Campylobacter jejuni19株, Escherichia coli 5株に対する最小発育阻止濃度 (MIC) を測定しonoxacin (OFLX), ciprofloxacin (CPFX), nalidixic acid (NA), ampicillin (ABPC), kanamycin (KM) などのMICと比較した.90%の菌株の発育を抑制するDR-3355のMIC (MIC90) は, Shigella spp., およびEcoliに対しては0.05μg/ml, Salmonella spp.に対しては0.10μg/ml, V.cholemeおよびV.parahaemolyticusに対してはそれぞれ0.025μg/ml, 0.39μg/ml, C.jejuniに対しては0.78μg/mlであった.これらの値を他のキノロン系抗菌剤のMIC90と比較するとC.jejuniの場合を除いてはDR-3355はCPFXのMIC90の2倍, OFLXのそれの1/2の値であった.C.jejuniに対してはDR-3355, 0FLX, CPFXのMIC90はいずれも0.78μg/mlであった.感染性腸炎起因菌に対するDR-3355のMIC90をNA, ABPC, KMのそれと比較すると, Vibrio spp.の場合を除いてはおおむねそれらの薬剤のMICの30から60倍低かった.
  • 三谷 比呂志, 清田 浩
    1992 年 66 巻 1 号 p. 59-65
    発行日: 1992/01/20
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
    尿路感染症の際に, 尿中に遊出する白血球, とくに好中球に対して, ニューキノロン剤が及ぼす影響について検討した.
    好中球は健常人の末梢血より分離し, リン酸緩衝液中および尿中で殺菌能を測定した.好中球の殺菌能は, スーパーオキサイド産生能を指標とし, chemiluminescence法により測定した.ニューキノロン剤はnorfloxacin (NFLX), enoxacin (ENX), ofloxacin (OFLX), ciproHoxacin (CPFX) の4剤を使用し, 各薬剤1μg/ml, 10μg/ml, 100μg/ml存在下で好中球のスーパーオキサイド産生能を測定した.その結果, 好中球殺菌能はリン酸緩衝液中, 尿中共にニューキノロン剤1μg/mlでは影響は認められなかったが, 10μg/mlでは増強され, 100μg/mlでは抑制された.以上より, 尿中の好中球殺菌能はニューキノロン剤通常量投与でも抑制されると考えられた.
  • 甲田 徹三, 田村 偉久夫, 市村 宏, 栗村 統
    1992 年 66 巻 1 号 p. 66-69
    発行日: 1992/01/20
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
    輸血を経験する機会が多い血液透析患者の血中HCV抗体陽性率を検討するため, 1990年2月から5月の間に広島県内の透析専門の5施設の透析患者393例 (平均透析期間: 79.3ヵ月) のHCV抗体をELISA法でスクリーニングし, RIBA法で確認した.
    1. 血液透析患者のHCV抗体陽性率 (393例中70例: 17.8%) は, 健常者 (510例中3例: 0.6%) に比べて有意に高かった.
    2. 透析患者のHCV抗体陽性率は透析期間並びに輸血量の増加と共に高くなった. しかし, 輸血歴の無い透析患者でも抗体陽性率は87例中8例 (9.2%) であり, 健常者の陽性率0.6%に比べて有意に高いことから輸血以外のHCV感染経路の存在が考えられた.
    3. ALT値の上昇とともにHCV抗体陽性率が上昇することからHCVは肝障害を惹起させるウイルスである可能性が示唆された.
  • 沼崎 啓, 千葉 峻三, 新飯田 裕一, 梅津 征夫, 青木 功喜
    1992 年 66 巻 1 号 p. 70-75
    発行日: 1992/01/20
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
    Chlamydia trachomtis, Chlamydia psittaci, Chlamydia pneumoniaeはそれぞれ肺炎などの呼吸器感染症を発症することが知られている. これらのクラミジア肺炎の診断には血清中の特異的IgM抗体の測定が診断的価値が高いとされてきた. 今回, 診断用キット (SeroELISA & reg;およびIPAzyme & reg;) の診断における有用性を検討するために肺炎など種々の疾患患者よりクラミジア特異的IgM抗体を測定した. 小児肺炎患者223例中66例 (29.6%), 成人の封入体結膜炎患者31例中8例 (25.8%), クラミジアによる封入体結膜炎新生児の両親16例中5例 (31.3%) などよりSeroELISA ® でIgM抗体が検出された。小児肺炎患児群における抗クラミジアIgM抗体の吸光度は他の群より高い分布が認められた. SeroELISA & reg;による抗クラミジア抗体の測定は診断に有用であるものと判断された.
  • 舟田 久, 真智 俊彦, 大竹 茂樹, 吉田 喬, 松田 保
    1992 年 66 巻 1 号 p. 76-80
    発行日: 1992/01/20
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
    The efficacy of recombinant human granulocyte colony-stimulating factor (G-CSF) in the treatment of Pseudomonas aeruginosa bacteremia in cancer patients receiving intensive chemotherapy was studied retrospectively. In 14 of the 24 episodes of P. aeruginosa bacteremia, which occurred in 23 severely neutropenic patients with hematologic malignancies during a three-year period, G-CSF was given subcutaneously or intravenously at daily doses of 75 & mu;g/body to 200 & mu;g/m2 of body surface. Overall, survival at one week after onset was observed in 13 patients (54%). Treatment with G-CSF, however, had no statistically significant association with one-week survival, although a favorable outcome was well correlated with an increase in the neutrophil count during therapy. On the other hand, septic shock and appropriate antibiotic therapy were the major prognostic factors. The frequency of shock was reduced by appropriate therapy, but not by G-CSF treatment. These preliminary findings thus suggested that G-CSF should not be effective in the treatment of neutropenic cancer patients with P. aeruginosa bacteremia. No adverse effects of G-CSF were observed.
  • 後藤 美江子, 奥住 捷子, 岡 慎一, 木村 哲, 島田 馨
    1992 年 66 巻 1 号 p. 81-86
    発行日: 1992/01/20
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
    非放射性であるアクリジニウムエステルを標識した抗酸菌のDNAプローブ (AE-DNAプローブ) を用いた抗酸菌同定法の検討を行った.本法と従来法および125I標識DNAプローブ法との一致率はM. tubezcnlosisプローブにおいて, 感度, 特異性とも100%であった. M. avinmcomplexプローブにおいては, 従来法と比較した場合, 感度97.2%, 特異性100%, 2法問の一致率99.1%であったが, 1251標識DNAプローブとの同定結果はすべて一致した. AE-DNAプローブの検出感度は105~106CFU/tubeで125I標識DNAプローブと同等であった. 本法は非アイソトープである事, 物理的な分離操作がなく, 菌液調製から90分で結果が得られる事により, 臨床的にも有用と考えられた.
  • 吉富 祐子, 東山 康仁, 松田 治子, 光武 耕太郎, 宮崎 義継, 前崎 繁文, 山田 洋, 堀 博之, 古賀 宏延, 河野 茂, 原 ...
    1992 年 66 巻 1 号 p. 87-92
    発行日: 1992/01/20
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
    Four cases of respiratory tract infections caused by Corynebacterium pseudodiphtheriticum were reported. The first two patients developed pneumonia with Corynebacterium pseudodiphtheriticum during steroid therapy used against their underlying diseases. The other two patients had acute exacerbation of chronic pulmonary diseases caused by C. pseudodiphtheriticum. These four patients improved by antibiotic therapy. Though nondiphtheria corynebacteria are regarded as “normal flora” when they are isolated from sputum, they should be recognized as potential pathogens.
  • 清水 伸一, 吉原 良祐, 大西 正孝, 大林 良和, 謝 詔銘, 松田 洋三
    1992 年 66 巻 1 号 p. 93-98
    発行日: 1992/01/20
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
    A 74-year-old housewife was admitted to the hospital with complaints of high fever and general fatigue. The physical examinations on admission showed no particular findings except for mild hepatomegaly, but labolatory findings showed severe liver dysfunction, active inflammation and negative tuberculine test. On the 4th day, she suddenly complained of severe respiratory distress. A chest X-ray film demonstrated surprising changes in comparison with that taken on admission. On suspicion of adult respiratory distress syndrome (ARDS) associated with miliary tuberculosis (Miliary TB), administration of Methylpredonisolone (1000 mg a day for 3 days) in addition to antituberculous drugs was immediately started. With this therapy she was recovered from such ill condition, but the general exhaustion and slight fever continued. We suspected that her condition might be due to adrenocortical involvement of Miliary TB and hormonal examinations were performed. Unexpectedly, Cushing's syndrome was suspected on the basis of the following; high level of plasma cortisol without normal daily variation, normal ACTH level, an absent response to the Dexamethasone suppression test. Computed tomography revealed left side adrenal mass. During these examinations, renal dysfunction probably due to Miliary TB grew gradually worse and she died of renal failure on the 56th day. Necropsy revealed disseminated tuberculosis involving the lungs and the liver, but the adrenal glands were not examined.
  • 熊田 和徳, 溝上 雅史, 折戸 悦朗, 大羽 健一, 徳田 泰司, 鈴木 馨, 成田 真, 水野 真, 荻野 眞孝, 亀島 信利, 山本 ...
    1992 年 66 巻 1 号 p. 99-103
    発行日: 1992/01/20
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
    A 42-year-old male was admitted with subarachnoidal hemorrhage. Dexamethasone 224 mg was used to reduce brain edema. His operation was successful without blood transfusion. No remarkable signs and symptoms were found except HBsAg positive and mild GPT elevation during his admission.
    He was discharged on the 33rd day. But 2 weeks later, he felt general fatigue and became worse day by day. He was re-admitted on the 75th day. Several therapies were given but he died of hepatic failure on the 85th day. The autopsy showed liver cirrhosis with massive necrosis.
    We believed that the steroid-withdrawal-phenomenon caused exessive immunological response and this process caused his hepatic failure leading to death.
  • 米倉 修司, 三島 研吾, 長尾 忠美, 有森 茂
    1992 年 66 巻 1 号 p. 104-105
    発行日: 1992/01/20
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
    A 10-year-old male was admitted to our hospital because of lymphadenopathy and fever. Biopsy of a cervical lymphnode demonstrated nodular necrotic foci containing many macrophages phagocyting the karyorrhexic nuclei. He was diagnosed as subacute necrotizing lymphadenitis (SNL) and all the symptoms disappeared spontaneously within a month.
    Five year later, lymphadenopathy recurred, and re-biopsy showed the same histological findings and he also recovered spontaneously.
    Although the prognosis of SNL is generally excellent and the majority of the patients recover without any treatment, recurrences are very rare, especially in young male patient.
  • 寺田 総一郎, 片山 和彦, 根ケ山 清, 河西 浩一
    1992 年 66 巻 1 号 p. 106-107
    発行日: 1992/01/20
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
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