感染症学雑誌
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アクリジニウムエステル標識DNAプローブ法による抗酸菌同定の有用性について
後藤 美江子奥住 捷子岡 慎一木村 哲島田 馨
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1992 年 66 巻 1 号 p. 81-86

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抄録

非放射性であるアクリジニウムエステルを標識した抗酸菌のDNAプローブ (AE-DNAプローブ) を用いた抗酸菌同定法の検討を行った.本法と従来法および125I標識DNAプローブ法との一致率はM. tubezcnlosisプローブにおいて, 感度, 特異性とも100%であった. M. avinmcomplexプローブにおいては, 従来法と比較した場合, 感度97.2%, 特異性100%, 2法問の一致率99.1%であったが, 1251標識DNAプローブとの同定結果はすべて一致した. AE-DNAプローブの検出感度は105~106CFU/tubeで125I標識DNAプローブと同等であった. 本法は非アイソトープである事, 物理的な分離操作がなく, 菌液調製から90分で結果が得られる事により, 臨床的にも有用と考えられた.

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