感染症学雑誌
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在日外国人 (インドネシア人およびフィリピン人) 就労者の腸管内寄生虫調査
赤尾 信明大山 卓昭大川 力近藤 力王至廣川 渉伊藤 真一竹口 章夫松崎 本揚
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1992 年 66 巻 9 号 p. 1256-1261

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抄録

石川県の一民間企業において, 技術修得の目的で企業研修を受けているインドネシア人とフィリピン人の計198名について鞭検査と血液検査を実施した.ホルマリン・エーテル法による鞭検査で、33名のインドネシア人のうち94名 (71%), 65名のフィリピン人のうち48名 (74%) になんらかの寄生虫感染を認めた. この内, 触感染を認めた者は4.5%, 融感染都64.1%, 鉤虫感染都10.6%であった. 原虫類では, 大腸アメーバの薪が11.1%に, 小形アメーバが5.6%に, Blastocystis hominisの嚢子カミ4.5%, またランプル鞭毛虫の嚢子が2.0%に見られた. 難検査では赤痢アメーバの嚢子は認められなかったが, 同時に実施したカウンター免疫電気泳動法による検査によって, 112名中1名に同原虫に対する抗体灘認された. 鞭虫, 鉤虫あるいは蜘虫感染の認められたものに対して, メベンダゾールあるいはパモ酸ピランテルを用いて駆虫を実施した. メベンダゾールは鞭虫に対して85.5%(53/63) の駆虫効果を示したが, パモ酸ピランテル撫効であった (0/5). しかし鉤虫と蜘虫に対してパモ酸ピランテルは高い駆虫効果を示した.

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© 日本感染症学会
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