感染症学雑誌
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病棟におけるStaphylococcus aureusの汚染
田中 吉紀足立 昭子足本 敦岸本 英彰豊島 良太山本 吉蔵
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1992 年 66 巻 9 号 p. 1270-1275

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抄録

1991年4月に開設された鳥取大学医学部附属病院新病棟におけるStaphylococcusの汚染状況の推移を調べた. 1991年4月, 7月, 10月, 1992年の1月の4回廊下および病室の床から菌を採集し, 計282株のStaphylococcusを得た. 主な菌種はS. epidermidis 84株 (30%), S. aureus 65株 (23%), S. haemolyticus 58株 (21%) であった. メチシリン (DMPPC) 耐性株は全菌株282株中136株 (48%), 65株のS. aureus中13株 (20%) にみられた. また, ABPC, CER, CMZ, TC, EM, GMに対する感受性を調べると, DMPPCを含めて3剤から7剤に耐性であったのに対して, DMPPC感受性株は高々2剤に耐性であったにすぎなかった. これらのことから環境中からのStaphylococcusの検索は, 医療スタッフの鼻前庭からの検索とともにStaphylococcusによる院内感染の防止に有益であると考えられる.

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© 日本感染症学会
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