1994 年 68 巻 6 号 p. 723-727
1993年2月から4月の短期間内にC群ロタウイルスが4例検出された. そのうち3例は病院附属の保育園内の園児であった. ウイルスの侵入経路は不明であるが保育園内でウイルスが伝播された可能性があると考えられた. C群ロタウイルスによる急性胃腸炎の臨床症状は嘔吐が初発症状であり食欲不振が強く経口摂取が不可能となり外来で補液をした. 症状の持続期間は短く1-2日であった. 下痢の回数は1日平均1.7回, 持続日数は1.2日であった. 水様便は80%にみられたが, 白色便は1例もみられなかった. 嘔吐の1日の回数および持続日数はそれぞれ2.2回, 1.2日であった. A群ロタウイルスによる急性胃腸炎よりも軽症であった. 1993年に検出されたC群ロタウイルスのRNA泳動型は同一であった. それ以前に検出されたウイルス株の泳動型とは異なっていた.