感染症学雑誌
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日本で分離された散発下痢症由来大腸菌におけるeaeA遺伝子の検出状況
山崎 貢齋藤 眞犬塚 和久島 正吾谷脇 弘茂伊藤 健一郎
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1997 年 71 巻 10 号 p. 1059-1065

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抄録

日本におけるattaching and effacing E. coliの分布を調べる目的で, 安城厚生病院において下痢症患者9,684名の大便から分離された大腸菌364株についてeaeA遺伝子の検索を行った.
364株中29株 (8%) からeaeA遺伝子を検出した.EPEC87株では11株 (13%) がeaeA遺伝子陽性であり, eaeA陽性株の血清型 (陽性株数/供試株数) はO26: H-(2株/3株), O55: H7 (4株/4株), O55: H-(2株/2株) 及びO128: H2 (3株/3株) であった.EHEC 2株 (VT陽性のO157: H7) は共にeaeA陽性であった.下痢原性大腸菌のカテゴリーに分類されない大腸菌 (non-EPEC) 260株からは16株 (6.2%) のeaeA陽性株が検出され, その血清型はO15: H2, O20: H6, O28: H28, O63: H6, O153: H7, O153: H19, O157: H45であった.一方, O18: H7をはじめとする7種類の血清型のEPECやEIEC及びETECからは検出されなかった.

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