感染症学雑誌
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イムノクロマトグラフィー法によるA, B型インフルエンザウイルス迅速診断キットの検討
川上 千春清水 英明渡邉 寿美七種 美和子宗村 徹也三田村 敬子菅谷 憲夫今井 光信
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2001 年 75 巻 9 号 p. 792-799

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抄録

イムノクロマトグラフィー法を用いてA, B型インフルエンザウイルスを検出する迅速診断キットQuick Vue Innuenza test (Quidel Corporation, USA) について基礎および臨床的検討を行った.
プラーク定量したインフルエンザウイルス6株を用いた検出限界は, ウイルス分離法が5~30pfu/ml, 1stPCRが1.0×103~6.0×104pfu/ml, nested PCRが1~50pfu/ml, 迅速キットではQuick Vue Innuenza testが3.0×105~60×105pfu/ml, ディレクテイジェンFluAが1.5×105~1.0×106pfu/ml, インフルエン ザOIAが7.5×105~5.0×106pfu/mlであった.
インフルエンザ様疾患患者92名の咽頭拭い液を用いて感染価ウイルス量を測定し, ウイルス分離, RT-PCRとQuick Vue Innuenza testを比較した.
ウイルス分離と比較したキットの感度は755% (37/49), 特異性93.0% (40/43) であった.また, RTPCRと比較したキットの感度は72.2% (39/54), 特異性97.4% (37/38) であった.
ワンステップでA, B型インフルエンザウイルスを迅速に検出できるQuick Vue Innuenza testは従来のキットと同等の感度と特異性を示し, 臨床での診断に有用と考える.

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