感染症学雑誌
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ザナミビル治療に対する患者からの評価
2000/2001年インフルエンザシーズンにザナミビルを処方されたインフルエンザ患者調査
松本 慶蔵工藤 翔二菅谷 憲夫鈴木 宏
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2001 年 75 巻 9 号 p. 800-807

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抄録

2000年12月から2001年3月までに, インフルエンザと診断されザナミビルを処方された患者を対象に, 治療効果に関するアンケート調査を行った. 総計723人の患者から調査票が回収された. ザナミビル初回吸入後, 「12時間以内」に症状が消失したと回答した患者が34.9%, 「24時間以内」が63.1%, 「48時間以内」は85.7%であった. また, 46.1%の患者が「48時間以内」に, 78.0%が「72時間以内」に通常の生活に戻ったと回答した. 吸入器を医師もしくは薬剤師の指示通り使えた患者の割合は98.8%であり, 吸入器を「非常に使い易い」もしくは「使い易い」と回答した患者は92.5%であった. ザナミビルに対し「大変満足」もしくは「満足」と回答した患者は70.8%, 「ザナミビルを知人に薦める」と89.0%が回答した. 本調査の結果より,(1) ザナミビルの効果発現は極めて速く, またワクチン接種者は, より速い症状消失がみられた.(2) ほぼ全ての患者が吸入器を適正に使用でき, 大変使いやすいもしくは使いやすいと感じていた.(3) 基礎疾患の有無による症状消失の効果の差はなく, また, 幼児や高齢者でも良好な吸入器の使用性が認められた.

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