感染症学雑誌
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Streptococcus pneumoniaeにおけるgyrA遺伝子およびparC遺伝子の遺伝子変異について
宮本 仁志村瀬 光春
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2003 年 77 巻 3 号 p. 133-137

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抄録

当院検査部にて2001年6月から2002年7月の間に, 各種臨床材料から分離したStreptococcus pneumoniae (S. pneumoniae) で, levofloxacin (LVFX) に感性を示す56株についてsparfloxacin (SPFX) の薬剤感受性試験を追加し, gyrA遺伝子およびparC遺伝子の解析を行った. 薬剤感受性試験の結果では, SPFXでも耐性株は認められなかった. 遺伝子変異の検出においては, gyrA遺伝子では変異が認められなかったものの, 13株でparC遺伝子の単独変異が認められた. その変異はAsp-78->AsnおよびSer-79->Pheが1株づつ, Lys-137->Asnが11株であった.S. pneumoniaeのフルオロキノロン薬耐性には, gyrA遺伝子とparC遺伝子における複数のアミノ酸変異が重要であるものの, LVFX感受性株の中にもparC遺伝子の単独変異株が存在しており, 今後注意していく必要があると思われた.

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