感染症学雑誌
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新規殺菌セラミックによるLegionella pneumophila殺菌効果に及ぼす温泉水泉質の影響
笹原 武志奥田 舜治菊野 理津子佐藤 義則関口 朋子高山 陽子井上 松久
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2005 年 79 巻 3 号 p. 157-160

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抄録

泉質の異なる9種類 (硫黄泉, 炭酸水素塩泉Na型, 塩化物泉, 冷鉱泉, 鉄泉, 硫酸塩泉, 単純温泉, 塩化物強塩泉, 放射能泉) の温泉水を用いて新規殺菌セラミックのL. pneumophilaに対する殺菌効果を検討し, 温泉水の泉質によって当該セラミックの殺菌効果が異なることを明らかにした.即ち, 処理24時間目においてkilling rateで<-2logの殺菌効果が認められた泉質は, 高いものから順に塩化物強塩泉>単純温泉>硫黄泉>炭酸水素塩泉Na型であり, 特に, 塩化物強塩泉での生菌数は検出限界以下であった.一方, 硫酸塩泉や冷鉱泉は僅かの生菌数の減少を認めるに過ぎなかった.これらの成績から, 当該セラミックは我が国の温泉の9割を占める泉質 (単純温泉, 塩化物泉, 硫黄泉, 炭酸水素塩泉Na型) の温泉水において優れたLegionella属菌殺菌効果を発揮することが推察される.

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