抄録
症例は78歳, 女性. 肝機能障害 (HCV抗体陽性) にて近医通院中に全身倦怠感, 体重減少, 腫瘍マーカー (AFP, PIVKA-II) 高値がみられたため当科に紹介された. 各種検査で門脈腫瘍塞栓を伴う進行肝細胞癌と診断した. 治療前の評価はPerformance Status 2, 日本肝癌研究会のTNM分類Stage IV-A, Child-Pugh分類A, Liver damage Bであった. CLIP scoreは4, JIS scoreは3点であった. 治療として経口抗癌剤であるUFTを投与した. 治療開始より2カ月後にCTにて明らかな腫瘍の縮小を確認できた. また5カ月後には腫瘍マーカーは正常化し, その後は上昇傾向を認めず, 現在 (治療開始後2年2カ月) に至るまで正常値を維持している. 治療効果の総合評価はPRであった. 本例はUFT投与が奏効したと考えられるが, UFTとほぼ同時期にetodolac, ビタミンK2を投与しており, etodolacとビタミンK2がUFTの抗癌作用に何らかの影響を与えた可能性も否定できないと考えている.