肝臓
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原著
C型慢性肝炎に対する天然型IFNα少量長期投与療法の有用性について∼地域臨床の立場からの検討∼
富 俊明
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2007 年 48 巻 6 号 p. 272-277

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抄録

〔対象と方法〕グリチルリチン酸製剤の長期投与にもかかわらず肝機能が異常高値の患者もしくは副作用の為に投与中止した患者のうち,治療法変更に同意した29例を対象に天然型インターフェロンα(以下,IFNα)少量長期投与の治療を行い,有効性と安全性およびQOLについて検討した.
〔結果〕ITT解析におけるALT値は,投与後に有意に低下した.抗IFN抗体の発現は,1例のみに認められた.SF-36を用いたQOLについては,ITT解析では有意な改善には至らなかったが,投与完遂例におけるPPB解析において2つの下位尺度(PF:身体機能,BP:体の痛み)で有意な改善がみられた.投与中止例は,18例であったが,そのうち副作用出現のために投与中止した症例は,4例であった.
〔結論〕C型慢性肝炎患者に対する,天然型IFNαを用いた少量長期投与はALTの改善が期待でき,抗IFNα中和抗体出現は低率で安全な治療法であると考えられた.

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© 2007 一般社団法人 日本肝臓学会
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