肝臓
Online ISSN : 1881-3593
Print ISSN : 0451-4203
ISSN-L : 0451-4203
症例報告
抗ウイルス療法によりウイルス学的著効およびインスリン抵抗性の改善を認めたC型慢性肝炎の1例
角田 圭雄和田 貴子吉田 直久酒井 恭子金政 和之藪田 又弘
著者情報
ジャーナル フリー

2008 年 49 巻 4 号 p. 159-165

詳細
抄録

症例は43歳男性.2004年7月C型慢性肝炎と診断され当院へ紹介となった.HCV serotype 1型,HCV RNA 140 KIU/ml,肝生検ではCH(A1/F2).ペグインターフェロンα-2b/リバビリン併用療法を開始したところ4週目にはHCV RNAが陰性化し,48週間の標準治療にてウイルス学的著効を得た.治療後の体重は治療前に比べて増加し肥満を呈していたが,治療前と治療終了後18カ月後に75 g経口糖負荷試験を施行したところ,ともに"境界型"(日本糖尿病学会基準)ではあるものの血漿グルコース値およびインスリン値の曲線下面積は治療後に著しい改善を認めた.本症例によりC型肝炎ウイルスそのものとインスリン抵抗性との関連が示唆された.

著者関連情報
© 2008 一般社団法人 日本肝臓学会
前の記事 次の記事
feedback
Top