2009 年 50 巻 12 号 p. 687-702
Genotype 1b・高ウイルス量のC型慢性肝炎に対して48週,72週のPeg-IFNα-2b+RBV併用療法を完遂した250例を対象として,response-guided therapyの検証を行った.RVRは48週投与で全例SVRであった.cEVRは72週延長投与でSVR率に有意な向上を認めなかったが,pEVRは延長投与により有意にSVR率が向上した(8.0% vs. 59.6%,p <0.0001).NVR以外のNon-RVRでも72週投与でSVR率は有意に向上した(57.8% vs. 72.4%,p =0.0413).SVRに寄与する因子の多変量解析では,宿主因子はLDL-C 86 mg/dL以上,治療因子は体重比RBV総投与量3 g/kg以上,72週の延長投与,ウイルス反応因子はcEVR,20週までのウイルス陰性化が抽出された.Non-RVRで0-4 ratioが2 Log10IU/mL未満であってもLVRが得られた症例では,体重比RBV総投与量を確保し,投与期間延長によりSVR率を上昇させる可能性が示唆された.response-guided therapyは実地診療において有用な治療戦略であると考えられた.