肝臓
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症例報告
多核巨細胞性肝炎の組織像を呈した自己免疫性肝炎の1例
鈴木 真琴室久 俊光荒井 大輔眞島 雄一國吉 徹小嶋 和夫玉野 正也飯島 誠菅谷 仁平石 秀幸
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2009 年 50 巻 2 号 p. 65-70

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抄録

症例は59歳,男性.2004年12月食欲不振と褐色尿を主訴に当院を受診.血清肝胆道系酵素の上昇を認め,急性肝炎の診断にて精査加療目的で入院となった.肝炎ウイルスはHAV,HBV,HCV,HEVともに陰性であったが,EBV-VCA-IgG抗体のみ陽性であったことからEBウイルス感染の可能性が示唆された.また,抗核抗体と抗ミトコンドリアM2抗体陽性から自己免疫性肝炎も疑い肝生検を施行しinterface hepatitis像と多核巨細胞を認めた.肝組織像より自己免疫性肝炎と診断後,ステロイド投与を開始し肝機能の著明な改善を認め軽快退院となった.多核巨細胞性肝炎像を呈した自己免疫性肝炎について自験例を含め2002年から2008年の本邦報告例についても検討したので報告する.

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© 2009 一般社団法人 日本肝臓学会
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