肝臓
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原著
C型慢性肝炎における発癌阻止を目的としたPEG-IFNα2a少量投与による抗ウイルス効果・ALT値・AFP値への影響
足立 浩司稲邑 克久岡村 利之杉本 立甫
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2011 年 52 巻 2 号 p. 94-101

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抄録

PEG-IFN/RBV併用療法の導入困難例や無効/副作用で中止/再燃の肝線維化進展例でPEG-IFNα2a少量投与(90 μg/45 μg隔週)をReal-time PCR法でHCVRNAを評価した40例に行った.抗ウイルス効果では,Genotype 1型・高ウイルス量では13.6%でHCVRNAが陰性化した.低ウイルス量はGenotypeによらずPEG-IFNα2a:45 μg投与により,Genotype 2型・高ウイルスでは90 μg投与によりHCVRNA陰性化が期待できた.HCVRNAの陰性化に関わらず,48週・72週時のALT値・AFP値が有意に改善または改善の傾向がみられたことより,PEG-IFNα2a少量投与は発癌率を低下させる可能性が示唆された.観察期間内に3例で肝癌を認めたが,いずれも肝癌治療後で新規発癌例はなかった.白血球・血小板減少などの副作用による中止はなかった.

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© 2011 一般社団法人 日本肝臓学会
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