肝臓
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症例報告
肝細胞癌術後10年目に,手術断端より仮性動脈瘤を形成した1例
浅野 岳晴中村 郁夫岡島 真里山中 健一浅部 伸一宮谷 博幸松浦 克彦吉田 行雄井廻 道夫
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2012 年 53 巻 1 号 p. 55-63

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抄録
症例は73歳,男性.C型慢性肝炎にて当院通院中であった.1999年,肝細胞癌(S5単発,径3 cm)が認められ肝右葉前区域切除術を施行した.術後は4-6カ月ごとに腹部USおよびCT検査にて経過観察していた.2009年3月の腹部CT検査にて,肝右葉の手術断端に,内部が不均一で一部造影効果を示す病変が認められた.同病変は同年5月のCTにて増大傾向を認め,仮性動脈瘤と診断された.腹部血管造影では,右肝動脈の前区域枝起始部に3 cm大の仮性動脈瘤を認めた.破裂予防のため,瘤のコイル塞栓術を施行した.
仮性動脈瘤の破裂の頻度や破裂後の死亡率は高率であるため,より早期の治療が望ましいとされている.また肝癌術後の画像フォローでは,術後晩期においても再発腫瘍の有無のみならず,動脈瘤や血栓などの血管変化にも留意する必要があると考えられた.
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© 2012 一般社団法人 日本肝臓学会
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