抄録
我々は,急性肝不全に対してon-line hemodiafiltrationを用いた人工肝補助療法を初めて臨床応用し,その成果を報告してきた.現時点で集積された全28例の脳症改善率,生存率,移植治療ブリッジユーズ,合併症,血液生化学検査等について再評価した.手技関連の合併症はなく,4.2±0.5(mean±SD)回の治療後に25例(89.3%)が脳症から完全に回復し,覚醒までに必要な治療回数は開始時の意識状態と相関した(P<0.001).転帰は,生存10例,肝外疾患死亡6例で,4例は移植治療を受け,ドナーが確保されなかった5例は最終的に肝不全で死亡された(救命率40%).生存例と肝不全死亡例では,治療開始後のprothrombin time,direct bilirubin/total bilirubin ratio,血清アンモニア値の推移は大きく異なり,治療開始後の予後予測に有用と考えられた.On-line hemodiafiltrationを用いた人工肝補助療法は急性肝不全時の脳症改善の第一選択肢に成り得ると考えられた.