肝臓
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原著
自己免疫性肝炎に対するステロイド治療の現状と再燃についての検討
金子 晃巽 智秀藥師神 崇行平松 直樹三田 英治中西 文彦尾下 正秀吉原 治正今井 康陽福井 弘幸小林 一三土井 喜宣林 英二朗筒井 秀作澁川 成弘巽 信之堀 由美子森井 英一竹原 徹郎
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2015 年 56 巻 10 号 p. 507-517

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抄録

自己免疫性肝炎200例を対象としてステロイド治療の現状と再燃に関連する因子について検討を行った.ステロイドは162例,81%の症例で投与されたが,そのうち149例92%で著効が得られた.一方,著効した症例のうち約半数で再燃を認めたが,そのうちの約半数はプレドニゾロン5 mg/日未満の時点で再燃していた.再燃群と非再燃群の2群間では有意差のある因子は認めなかったが,プレドニゾロン5 mg/日以上で再燃した32例をステロイド依存群,5 mg/日以下の維持量で再燃を認めなかった62例をステロイド非依存群として解析したところ,有意差のある因子を複数認めた.さらに,多変量解析にて年齢とγ-GTPが再燃に関連する因子であるという結果が得られた.このことより,再燃に関連する因子の検討においては,再燃時のステロイド用量も考慮して解析することが重要であると考えられた.

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© 2015 一般社団法人 日本肝臓学会
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