2016 年 57 巻 1 号 p. 34-41
2006年2月~2014年12月の間で当科にてPeg-IFN初回治療を行ったHIV/HCV重複感染者13例を対象とし抗ウイルス効果を検討した.13例中2例に血友病の合併,1例にB型慢性肝炎の合併を認めた.治療法の内訳はPeg-IFNα2a単独(n=2),Peg-IFNα2a/2b+リバビリン併用(n=10),Peg-IFNα2b/リバビリン/テラプレビル3剤併用(n=1)を施行した.治療前のCD4陽性リンパ球数は平均447 /μl,HIV-RNA量は1例を除き検出感度以下であった.IFN治療後,genotype 1型は8例中5例でSVRが得られ,genotype 2型は5例全例でSVRが得られた.CD4陽性リンパ球数は治療中減少したが,治療後に回復し,HIV-RNA量に著変はなかった.HIV/HCV重複感染症例に対するPeg-IFN治療ではHIV感染への影響は少なく,治療成績も劣ることはなかった.