肝臓
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症例報告
C型肝硬変に対するインターフェロン治療著効20年後に肝細胞癌を発症した1例
岡部 純弥福田 和人岩本 剛幸山縣 洋介谷 瑞季安岡 秀高八木 麻衣大西 孝典小来田 幸世澤井 良之井倉 技山口 典高松本 康史中原 征則大橋 寛嗣丸川 太朗前田 祐一篠村 恭久今井 康陽
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2016 年 57 巻 1 号 p. 27-33

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抄録

症例は86歳,男性.1993年(66歳時)に腹腔鏡下肝生検にてC型肝硬変と診断され,インターフェロンα2a(IFN-α2a)の24週間投与によりウイルス学的著効(sustained virological response,SVR)を得た.その後も肝機能は正常化していたが,2013年1月スクリーニング目的で行われた腹部超音波検査にて肝S8に径15 mm大の腫瘍を認めた.腹部造影超音波検査,EOB造影MRIにて肝細胞癌と診断し,肝動脈塞栓術,ラジオ波焼灼術を施行した.IFN治療によるSVR後20年を超えて肝細胞癌を発症した例はこれまで報告がなく,肝硬変症例に対してはSVR後も長期間の慎重な経過観察が必要であると思われた.

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© 2016 一般社団法人 日本肝臓学会
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